【漂流ネットカフェ】のあらすじと感想。極限状態の中で描かれる押見作品ならではのサバイバルドラマ。
目次
1.【漂流ネットカフェ】作品紹介
漂流ネットカフェはある日突然知らない世界に飛ばされてしまう異世界トリップものです。
極限状態に追い込まれた人間たちは本性をあらわにしていきます。
作者の押見修造先生はこの手の人間の持つドロドロとした心理と行動の描写が卓越でありグイグイと引き込まれていきます。
登場するヒロインも作者お得意の謎めいた影と力強さを持つ美女です。
ある意味男性が共通で持つ幻想を具現化したキャラクターなのかもしれません。
そんなヒロインとパラレルワールドでどのように生き抜いていくのか、元の世界には戻れるのか最後まで展開が読めず一気に読み終わってしまうでしょう。
2.【あらすじと感想】
主人公の 土岐耕一は30歳を目前に控えた平凡なサラリーマン。
出産間近の妻ゆきえと小さなアパート暮らしをしています。
恋愛経験が少ないまま結婚したせいもあってか時折中学時代の初恋相手で転校生の遠野果穂の事をぼんやりと思いだすのでした。
同じ塾に通っていたこともあって果穂とは少なからず仲良くなっていた甘く遠い想い出。。
しかし、果穂は押野作品にはお馴染みの危険な感じの一面をもった女の子でした。
ある日些細なことで出産間近の妻ゆきえと喧嘩してしまいます。
付き合い始めの頃はあんなに好きだったはずなのに。
その日の会社帰りにふと立ち寄ったネットカフェ。
そこでずっと思いを引きずっていた遠野果穂と再会します。
そしてその後ネットカフェの店内を停電が襲います。
店の外に出てみると激しい雨で冠水状態のため一晩泊まって様子を見ることにします。
早朝になって果穂に起こされ外に再び出てみると、ネットカフェの建物の周り合ったはずの街中の風景は消え、見たことの無い果てしなく続く湿原になってたのでした。
ここから偶然一緒にネットカフェに取り残された見知らぬ人間たちとのサバイバルが始まります。
様々な人間たちと暴力で主導権を握ろうとする寺沢に対して耕一と果穂はどのようにして元の世界に戻るのでしょうか。
人間の生々しい心理状態の描写と押見作品ならではの謎めいたヒロインがサバイバルストーリーを盛り上げていきます。
想像を超えたラストへの落としどころは秀逸です。
是非読んで見て一緒にパラレルワールドにトリップしてみてはいかがでしょうか。
3.【登場人物】
土岐耕一
主人公で29歳のサラリーマン。
出産間近の妻のゆきえとアパートで幸せに暮らしていまが、中学の初恋相手である遠野果穂を心のどこかで引きずっています。
遠野果穂
耕一の初恋相手。
中学生の時に耕一の中学校に来た転校生で影のある美少女。
耕一に対してちょっと思わせぶりな態度を見せるが故に想いを引きずることになります。
土岐ゆきえ
耕一の妻
出産を控えて気持ちが不安定なのですが耕一のやさしさ不足と無頓着さに感情が高ぶってしまいます。
寺沢
ネットカフェで残された人々を暴力で主導権を握り従わせようとします。
ミク
取り残されたギャル系女子の一人。
寺沢に虜にされてしまいます。
4.【漂流ネットカフェ】のデータ
作者【押見修造】
出版社 【双葉社】
掲載誌 【漫画アクション】
連載期間【2008年~2011年】
コミック【全7巻・完結】